22/24
前へ
/155ページ
次へ
深月くんの熱のこもった視線があたしを捉えて離さない。もったいつけるようにゆっくりとあたしの口内を刺激していた人差し指を引き抜くと 「…っ、、」 そのまま、視線は逸らさずにさっきまであたしの口内に入っていたそれをぺろり見せつけるように舐め上げる。 「はやく本物の雪乃ちゃんの口からしてほしいな」 少し唾液で濡れた赤い唇があたしへと追い打ちをかけるかのように誘惑してくる。 「っ、、ちょっと、まって、。」 え、えろすぎる、、、。こんなの聞いてない! と、脳内のあたしが泣き言を言いそうになるけど …ん?いや、まてよ。と、思い止まる。 もしここで物凄いやつ(どんな?)を深月くんへとかますことができれば、これは深月くんのことをドキドキさせることができる千載一遇のチャンスかもしれない。 いつもあたしばかりが深月くんにドキドキさせられっぱなしでなんだか悔しかったので、少しでもあたしの気持ちを分かって欲しくて深月くんからのお願いを受け入れることにした。 ゴクリ、生唾を飲み込むと意を決して、そっと深月くんの頬へと手をかける。 お風呂で熱った肌が水分を纏ってしっとりとした感触がする。 すごく恥ずかしかったけど、唇が重なるその時までは絶対に目は逸らさないと決めて、ゆっくりと深月くんの顔へと近づいていく そして、ちゅっ、と音を立てて唇同士が触れ合うと視線を口元へと落としそれを味わうように優しく吸ったり、舐めたり、少し口の中へと含ませてみたりと繰りかえした ちらり、深月の様子を伺うように視線をあげれば、バチッと視線が交わる。 先ほどよりも熱を持った視線があたしを見据える。それにドッドッドッと忙しなく心臓が音をたてはじめる。 いつもの逃げ腰なあたしが少し顔を出したけど、ここでやめてしまうのはなんだか負けた気がして絡まった視線をスッと下へと逸らし、キスを繰り返した 「っ、、ちゅっ、、、はぁ、、っ、」 少し空いた互いの唇の隙間から吐息が漏れ出る、そこへ舌をグッと、ねじ込ませると熱い深月くんの舌を絡めとりそれを自身の舌へと絡みつかせる。 互いの唾液が混ざり合い、それがツーッと唇の端から零れ落ちる感覚がした。
/155ページ

最初のコメントを投稿しよう!

677人が本棚に入れています
本棚に追加