ろく

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家に着くとすぐさま、早急なキスをされる。 「っん、、、はぁっ、、、」 久しぶりのその感覚に、身体の芯が震えた。 しばらくそのまま玄関の扉に押しつけられたままキスを繰り返されるけど、そろり、深月くんの手が服の中へと侵入してくる。 「っ、、、み、つき、、、くんっ!」 さすがにバイト終わりだし、このままここでは流石に無理だ。 そう思い、深月くんの胸をグッと押した。 「…、はぁ、、ごめん。分かってるんだけど止まらなくて、もうちょっとだけ。ね、いいでしょ?」 そう言ってまた、甘いキスを繰り返される。 まるで本当に食べられてしまうんじゃないかと思うようなキスに、ゾクリとした感覚が背中に走った。 しばらくしてから、ようやく唇が離れると 「ごめん、お風呂入っておいで?」 そう言ってあたしの手を引くと、脱衣所まで連れて行かれる。 「え、あの、深月くんは?」 あたしと一緒に帰ってきたということは、まだ深月くんもお風呂に入っていないはずなので、なんだか先に入るのは悪い気がした。 あたしのそんな言葉に少し考えてから、 「…、一緒に入りたいところだけど、このままだとお風呂で襲っちゃいそうだし、今日はちゃんとベッドでしたいから遠慮しておくね?」 「っ、、、、。(ベッドで、、、うわぁ、、。)」 そんなひとり言葉にならないあたしに 「あとで着替え置いておくから、ゆっくり入っておいで。」 頭にぽんっと手を置きながらそう言うと、その場から立ち去っていく深月くん。 ちょっとの間、その場から動けなかった。
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