ろく

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あたしがお風呂からあがると、深月くんが近づいてくる。 そのままおでこにちゅっ、とキスをしてから 「寝る準備済ませて待ってて?寝れるかは別だけど。」そう言ってにっこり、爽やかな笑顔を残して去ってゆく。 そんなセリフを言われたもんだから、ひとりそわそわ落ち着かない心持ちで歯磨きなどを済ませていい子で待つしかない。 とりあえず準備を済ませ、ソファに座ってみるけど、なんだかやっぱり落ち着かない。そのままそこで体育座りをして自分の膝へと顔を埋める。 やばい、なんかもうずっとドキドキしっぱなしなんだけど。 久しぶりの深月くんはやはり刺激がつよい。この後のことを考えるだけでどうにかなってしまいそうだった。 程なくしてガチャリ、扉を開けて深月くんが部屋へと入ってくる。 その音にパッと下げていた顔をあげれば、バチっと視線がぶつかった。 それにふっ、と優しく微笑まれ、そのままあたしの前までくると「お待たせ。ベッドいこっか?」とこれまた優しく促される。 もうすでにいっぱいいっぱいのあたしは、深月くんのその言葉に「う、ん。」と頷くことしか出来なくて、あとは黙ってゆっくりソファから立ち上がった。
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