いち

13/19
前へ
/155ページ
次へ
浴室に逃げ込んだあと、少し熱めのシャワーを浴びて煩悩をなんとか落ち着かせた。 一通り洗い終わり身体を拭いてガウンを羽織る ふぅ、と再度気持ちを落ち着かせるよう一息ついてから浴室を出た。 「ごめんね、お待たせ」 深月くんに上がったことを伝える。 すると、ソファからすっと立ち上がりこちらの方へと近づいてくる、そしてすれ違いざまに 「寝ないでちゃんと待っててね?」 そう言って頭をポンと軽く触り微笑むと、入れ替わるように浴室の中へと消えて行った。 「…やばい、」 なにがやばいって、全てだ。 もうなんか分かんないけどとにかく深月くんのすること全てあたしの壁に突き刺さる。 お顔もタイプなだけあって効果は抜群だ。 とりあえずこのまま立って待ってるのもあれなので、ベッドの端に腰掛ける。 時間を潰すべく、カバンから携帯を取り出すと柚葉からメッセが届いていた。 "今日はありがと♡深月くんと熱い夜を楽しんでね♡" どこかであたしたちのやり取りを見ていたのだろうか?なんとも気持ちの悪い文章に、先程までの高揚感が一気に下がった気がした。 "押忍" とりあえず否定するのも面倒なので、ふた文字だけ返信してトーク画面を閉じた。
/155ページ

最初のコメントを投稿しよう!

677人が本棚に入れています
本棚に追加