なな

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次の日、今日は深月くんと夕飯を食べに行く約束しているのだが、昨日の光景が頭を掠めてどうも気分が乗りきらない。 別にふたりでホテルから出てくるところを目撃したわけでもないのだからあれくらいのこと気にする必要なんてないのに、それでも、心のどこかで引っ掛かってしまっているあたしがいた。 深月くんは静香とも、あたしとしているようなことを、、、? 思わずその光景を想像しそうになって慌てて掻き消す。 馬鹿じゃん、こんなのどんどん疑心暗鬼に陥るだけだ。 やっぱりこのまま深月くんとの関係を続けていくことはあたしの精神衛生上良くない。 何処かでちゃんとはっきりさせないといつまで経ってもこの沼から抜け出せずにもがき苦しむだけだ。 あたしはまだぴちぴちの21歳、出会いなんていくらでもあるんだからと自分自身に言い聞かせ、 よし、今日深月くんと会った時にあたしのことをどう思っているのか聞いてしまおう!と、覚悟を決める。 それで、ただのセフレだよ?なんて言われてしまった日には、今日は深月くんの家には行かず帰らせてもらって、そのままきっぱり関係を断ち切る。 急ではあるが思い立ったが吉日。 あたしの恋は今日決着をつけると心に決めて、家を出るまでの間、なんで言おう、、。とずっとそのことばかり考えていた。
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