なな

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運ばれてきたデザートプレートは、紅茶のシフォンケーキにメレンゲがトッピングされたものと、チョコレートアイス、それにイチゴのムースと数種類の一口大にカットされたフルーツという盛り沢山な内容だった。 どれもこれも美味しそうではあるけれど、やっぱりこれはひとりじゃ食べ切れない。 ので、深月くんと仲良く分け合っておいしくいただくことにする。 「どうする?まだ何か飲んだりするなら頼むよ。」 と、相変わらずの優しい微笑みでもうすぐデザートを食べ終えるあたしに向かって深月くんが問いかける それに、内心チャンスは今しかない!と、思いながらも無駄にドキドキして、手汗なんかもかいてきちゃったりしはじめる。 しかし、いつまでも先延ばしになんてしていられない、ここで女を魅せるのよ雪乃。 最後の一口を放り込み、緊張でよく味もわからなくなってしまったそれを飲み込んで、意を決して口を開いた 「ううん、もう大丈夫。…あの、深月くん、ちょっと話があるんだけど、聞いてくれる?」 なんだか急に改まった口調であたしが話し始めるもんだから、「ん?いいよ、話って?」と、深月くんの顔が少しきょとん、としていてかわいい。じゃなくて。 「えっと、、、。あ、まずは今日誘ってくれてありがとう。どれもこれもぜんぶ美味しくて、深月くんとお喋りしながらだと時間もあっという間に過ぎちゃった。」 と、そこで一旦言葉を区切る。
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