なな

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俺は最初から雪乃ちゃんのことが好きだったけど、雪乃ちゃんからしたら俺なんて眼中にもなかった存在だったわけで、 あの日の帰り道、一緒に帰ることになったはいいけれど、ここからどうしようかと考えていたところに、まさかの雪乃ちゃんからの 「なんか、深月くんってエロいよね」 という発言で、これはワンチャンあるか?と思わされたがそう判断するにはまだ早すぎると思い、平静を装って普通に返答を返した。 しかし、再度「ならよかった、じゃあセクハラついでにちょっとだけ腕触ってみてもいい?」という発言で、どうやら俺の身体には興味を示してくれているということが分かった。 それならば、まずは身体の関係から入って雪乃ちゃんのことをずぶずぶに落としてから、それから心までも俺以外考えられなくなってしまうように仕向ければいい。 そう方向性が確立されたことにより、俺の取るべき行動が定まった。 だからそれまでは、この好きと呼ぶにはもはや有り余るくらいの感情は伝えずに、雪乃ちゃんにも俺と同じところまで落ちてもらって、それからこの気持ちを伝えようと、そう心に決めたのだった。                 side深月end.
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