なな

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深月くんからの俄には信じがたいお話を聞き終え、あたしの脳は今世紀最大に混乱していた。 え?あたしそんなこと本当にしたっけ? てか、このイケメンのこと覚えてなかったとか、あたし正気? いろいろと情報がありすぎて、まず何から聞いたらいいのか、いや、そこはあたしのこと前から好きだったって本当?でしょうが。 ちらり、深月くんに視線を向けて、未だ混乱しながらも「えっと、、、つまり、あたしのこと、、」 と、途中まで言いかけたところで 「うん、好きだよ。ずっと前からね?」 と、深月くんに先読みされてさらっと告白される。 あたしをにこにこと見つめながら今までずっと聴きたかったはずのその言葉を口にしてくれたというのに、混乱が勝ってしまって嬉しいはずなのに素直に喜べなかった。 「っ、、、そ、そうだったんだ。全然気づかなかった。」 ぼそり、静かにそう溢せば 「ふっ、だろうね?雪乃ちゃんの周りへの関心のなさには俺もだいぶ苦労させられたしね。」 と、小さく笑った。 「…、それに関しては返す言葉もありません。」 「いや、別に責めてるわけじゃないよ?今は雪乃ちゃんのそういうところも含めて大好きだからさ。」 なんて、またさらっと、大好きなんて言葉を最も簡単に口にする。でも、全然軽く聞こえてこないから不思議だ。 もうっ、なんなの急に!! あたし今絶対顔赤いよ!! その後も素直にあたしへの気持ちを口にする深月くんにあたしは終始タジタジだった。
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