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あれ?でも待って
「え、でも昨日静香、、さんと一緒にいなかった?」
ふと、昨日の光景を思い出し、口からポロッとそんな疑問がこぼれ出た
すると、すかさずその言葉に「…どこかでみたりしたの?」と、深月くんが反応する
「あ、えっと、、渋谷で。たまたま見かけて。」
さすがにこのタイミングで力と2人きりでご飯に行っていましたとは言いづらくて、ふんわり、やんわり伝えた。
そんなあたしの言葉にどこか納得した表情を浮かべながら
「ああ、、昨日の夜か。昨日はゼミのメンバーと課題を一緒にやってたんだけど終わってからご飯行くことになってさ、きっとそれのときかな?」
と、あたしの問いにすらすらと答えてくれた。
「あ、そうだったんだ、、。」
なるほど、2人きりじゃなかったのか。
それなのにあたしったら勘違いしちゃって、力の気持ちを利用するようなことまでしてしまった。
それがあたしの早とちりだと分かった途端、なんだか急に力への罪悪感に苛まれた。
そんなあたしの何処か浮かない表情が深月くんにバレてしまったようで
「雪乃ちゃん、どうかした?」と、つっこまれてしまう。
「えっ、いや、何でもない、よ?」
一応否定はしたけど「ふぅん?」とどこか納得していないような声色で相槌を打つと
「ところで、雪乃ちゃんは渋谷で何してたの?昨日はバイトって言ってなかったけ?」
と、笑っているのに笑っていない表情で詰められる。
それに思わず「っ、」と言葉に詰まってしまったのだけれど、すぐさま
「バイト先の人と、終わってからご飯に行っただけだよ?」
と、嘘ではない言葉をなんとか紡いだ。
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