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はち
深月くんが、今日は絶対に離してあげられないから、先に寝る準備だけ済ませちゃおう。と言うので、その言葉に若干赤面しながらも、あたしもはやく深月くんとくっつきたかったので早々に準備を済ませ、「先にベッドで待ってて?」という甘い囁きを残して消えていった深月くんをそわそわした気持ちで待っていた。
初めてするわけでもないのに、初めての時以上に緊張している。
両思いになって深月くんとするえっちってどう変わるんだろう。なんて、そんなことを考えてはひとり胸の鼓動を早めさせていた。
程なくして「お待たせ。」と言って戻ってきた深月くんの姿に、あたしの緊張はピークに達した。
自分でもなんでこんなに緊張しているのか分からないけど、そのほぐしかたが分からない。
心臓の音はドキドキではなく、ドッドッドッとまるで太鼓を叩く音のようにあたしの体内で鳴り響いている。
そんなあたしの緊張が深月くんに伝わったのか、あたしのことを優しい瞳で見つめると
「雪乃ちゃん、もしかして緊張してるの?可愛いね。」
そう言って、ちゅっと、唇に柔らかな感触が落ちてくる。啄むようなそれが何度もあたしの緊張をほぐすように繰り返されて、そのおかげであたしの肩の力もだいぶ抜けていった。
暫くそんな戯れるようなキスを繰り返した後、ゆっくりとベッドへと押し倒される。
それに閉じていた瞼をそっと開けばあたしを見つめる深月くんの瞳と視線がぶつかった。
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