はち

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「雪乃ちゃん、好きだよ。」 あたしの目をジッと見つめながら、好きの言葉を贈ってくれる。 それに胸の辺りがきゅっ、と締め付けられてなんだかとてもたまらない気持ちになった。 「…、あたしは、大好き。」 好きの気持ちで負けたくなくて、そう言葉を返せば 「ふっ、絶対俺の方が大好きに決まってる、これから俺がどれだけ雪乃ちゃんのことを大好きなのか教えてあげるね?」 そう言うとあたしの返事も聞かずに強引に唇を塞がれてしまった。 先ほどの戯れるようなキスとは違って、あたしの口内を余すことなく味わうようなキスに、触れられてもいないあたしの奥の方がジンっとそれに反応する。 絡まりあった舌が気持ちよくて、どんどんとあたしの思考を溶かしてゆくから、本能のままに、もっとと、深月くんにそれを求めた。 すると、少し唇を離して 「あんまり俺のこと煽らないでくれない?優しくできなくなるから。」 と、まるで獲物を狩るような目をした深月くんに咎められる。 その目に思わず、あたしの性癖が疼いてしまって仕方がない。だから 「…、いいよ、深月くんの好きにして?むしろ優しくされるよりもそっちの方が、、、っ、た、、」 あたしの言葉は最後まで言わせてもらえなくて、どこか余裕をなくした深月くんによって性急に首筋に噛みつかれてしまった。
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