はち

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こうして、いつもなんだかんだと深月くんの思い通りに従ってしまうあたしは、あの飲み会の夜からまんまと深月くんの手中に落とされてしまったようだけれど、 それを知った今でもここから抜け出す気は全くおきなくて、これからもずっと一緒にいたいだなんて、そんなことを思ってしまうんだから、もう手遅れもいいところだ。 まだちゃんと断れていないあたしに対する力への返事とか、静香の今後の対応?とか、まだまだやるべき事はあるけれど、今はとりえず、この幸せな時間をたっぷり味わってから考えよう。 「ふふっ、深月くんだいすき。」 唇をそっと離して、あたしの気持ちを伝えれば 「ん、俺もだいすきだよ。」 と、嬉しい愛の言葉が返ってくる。 ああ、幸せだなあ。 そんな気持ちが胸いっぱいに広がって、深月くんから与えられる甘い痺れに身を委ねた。
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