いち

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「…キス」 「え?」 「深月くんと、キス、し…っんん」 したい、そう続くはずだった言葉は深月くんの唇によって飲み込まれてしまった 何度も角度を変えながらまるであたしの唇の形を覚えるように繰り返されるそれに答えるよう舌を絡める 「っん、…はぁ、っ」 あぁ、やばいめちゃくちゃきもちいい 角度を変えるたびに溢れる深月くんの吐息や息遣いがあたしを昂らせる かぷり、思わず深月くんの下唇を甘噛みする 「っ、はぁ、なにそれ、めちゃくちゃそそる」 数センチ離れた距離、乱れこぼれ落ちた髪を掻き上げながらあたしを見下ろす瞳に欲情の色が滲んだ ぐいっ 堪らず、今度はあたしから深月くんの唇に自身のそれを重ねる。 「ね、お願い、触って」 はぁ、と熱い息を吐いたあと深月くんを見上げながら懇願する 先ほどは理性や羞恥心が邪魔をして言えなかった言葉、しかし、もう我慢の限界だった。
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