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「だーめ、ちょっとじっとしてて」 ぎゅっとあたしを抱きしめる腕に力を込めたかと思えば、するり、髪を掻き分け首筋に触れる 「…どーしたの??」 「んー?ここ、昨日酷くしちゃったから、確認してんの、やっぱり跡残っちゃったね、痛い?」 そう言って、ちうっ、と音を立てて首筋にやさしく吸いついた 「っ、…見た目ほど、痛くないから大丈夫だよ」 思わず、ぴくりと身体が反応する 慰るようなそれに心の奥がきゅっとなるのを感じた 「そっか、よかった。でもこれ柚葉ちゃんに見られたらなんか言われるんじゃない?」 「あー…、確かに」 いろいろ根掘り葉掘り聞いてくる姿が容易に想像でき、その状況を考えただけでもゲンナリしてきた 「そしたら俺のせいにしてくれていいからね」 そう言って、最後にもう一度だけちゅっ、とキスを落とすと、そっとあたしから離れていった
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