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外に出る前にエレベータの中で、もう一度だけ自分で歩くから降ろして欲しいと深月くんに頼んでみる だが爽やかな笑顔でスルーされた もう諦めて覚悟を決めるしか無い SNSで白昼堂々ラブホからお姫様抱っこされて出てくる奴らいたwwww と、画像付きで晒されたら軽く死ねるなと嫌な妄想を膨らませる せめてモザイクはかけて欲しいと思った ラブホから外へ出ると本当にタクシーが一台停まって待っていて、幸いラブホの中でも人とすれ違うこともなく、見た感じ外にも通行人はいないようだった 晒される可能性がほぼ0に近くなり安心する しかし、お姫様抱っこで出てきた客がまさか乗客だとは思っていなかったのだろう、ドライバーさんもギョッとした顔をしていた わかりますその気持ち… 恥ずかしすぎて顔を上げられなかった タクシーに乗せられ車が発進する どこに向かってるのか尋ねると、俺の家と一言 え、あたしは? 「本当は雪乃ちゃんの家に一旦寄れれば1番良かったんだけど、それだと遠回りになっちゃうからあとで必要なものとかコンビニに買いに行こう」 続けざまにそう言われる 「あ、うん…。」 言いたいことはいっぱいあった、だがありすぎて何から話していいのか分かんないし、なんだかもう考えるのも面倒くさくなってきたので黙って頷くことにした
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