さん

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ゆっくりお風呂で疲れをとったあと、浴室を出る、そういえば着替え借りるの忘れた、と思ったがそこはさすが深月くん、タオルと一緒に深月くんのものと思われる着替えがいつの間にか用意されているではないか コンビニで買ってきていただいたショーツと併せてありがたくそれを拝借することにする 用意されていた黒のスウェット生地のTシャツはかなりのオーバーサイズで服に着られてる感が半端なかった ワンチャンこれ一枚でいける、が、そんなお決まりのシチュエーションにはしたく無いので用意されていた同じくスウェット生地のズボンもしっかり履かせていただいた ウエスト部分の紐をこれでもかと引っ張り、ずり落ちないように結ぶ、脚の長さがもとより違うので足首のところで余った生地がダブつくけど仕方ない 首にタオルを引っ掛け、深月くんの待つ部屋へと向かう 「深月くん、お待たせ」 ソファで何やら本を読んでいる深月くんへ声をかける あたしの声にぱっ、と下げていた視線を上げ、読んでいた本を横に置く 「おかえり、やっぱり服大きかったね?髪の毛乾かしてあげるからこっちおいで」 あたしの姿を見て微笑むと自身の足の間をぽんぽん、と叩く 自分でやる、そう言いかけやめる、またあの有無を言わせぬ笑顔の深月くんに拒否をするだけ無駄だと学習をしたあたしは、いそいそと大人しく深月くんの足元へと腰を下ろした 「ん、いいこだね」 優しく耳元で囁かれ一気に熱が集まる 「っ、あんまり耳元で喋っちゃダメ!」 ぱっ、と耳に手を当て体育座りをしている膝へと顔を埋めた なんでこういちいちちょっとエロいの? わざとか、わざとなのか?それともあたしが煩悩だらけなだけ? 兎に角、あたしの平静を保つためにやめて頂きたい
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