さん

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・:*+. 「あんた、その首どうしたの」 月曜日、あたしは講義を受けるべく大学へと来ていた、適当に空いてる席をみつけ講義が始まるのをぼーっと待っていると、不意に後ろから声をかけられる、柚葉だ 今日は朝から大学へ来ていたが、これが初対面である。 「おつかれ、寝違えた」 挨拶をしつつ、しれっと嘘をつく あたしの返答に 「おつ〜、…ふーん?どんまい」 と、特に気にする様子も見せず隣の席に座る柚葉。どうやら信じてくれたようだ。 金曜日の夜、深月くんにつけられた噛み跡はやはり月曜日になっても消えてくれることはなかった 季節は初夏、地球温暖化の影響で気温がバカになっている今日この頃、ファンデーションやコンシーラーなんかは当てにならないことに気づく どうにかこれを隠せる方法は無いものかと考えた結果、あたしは寝違えた人になりすますことにした。 「湿布臭かったらごめん」 「ん、いいよおばあちゃん」 速攻でいじってきやがる 「労わって?」 「やだ」 「優しさが足りない」 「てか、それ絶対寝違えたとか嘘じゃん」 ちらり、こちらを見ながらあたしの首元を指さす 急に確信めいたことを言われ、一瞬反応するのが遅れる とりあえず「…なんで?」と、聞いてみる すると「女の感。」と、柚葉 「え、こわ」 「このあとス◯バね」 有無を言わせぬ感じに、しぶしぶ「…奢りなら」と、返事をする 「よっしゃ、決まり〜」 なんだか楽しそうな柚葉とは逆に、なんて説明しよう、とひとり溜め息を吐いた
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