さん

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ス◯バ尋問はその後も続き、柚葉に根掘り葉掘り聞かれ解放されたのは約2時間後だった、後半は1人で勝手に盛り上がっていただけだったけど。 家までの帰り道、電車に揺られながら深月くんの家から帰ってきた日のことを思い出す あの日、度重なる疲労もあって結局目が覚めたのは朝になってからだった そういえば、目を開けた瞬間深月くんのドアップがあってびびったな 思わず声を上げてしまったせいで、眠っていた深月くんの顔が少し歪み、そのあとゆっくりと瞼が上がり、目と目が合う 寝起きの少しとろんとした目で見つめられ、あたしの母性が爆発しそうだった 「ん、…起きたの?」 そう言って、あたしをぎゅっと抱きしめると額にちゅっ、とキスを落とす 「お、おはよう」 昨夜のこともあり恥ずかしいやらなんやらで顔が赤くなったのを感じた 「おはよ、起きたら雪乃ちゃんがいるとかやばいね」と、極上の微笑みを向けられる 一体何がやばいのか、顔か? まあ、それも確かにやばいと思うけど、どちらかというと今はあたしの感情の方がやばい気がする 正直かなり深月くんのことを好きになりかけている自分がいることを認めざるを得ない、じゃなきゃあんな恥ずかしいこと全力拒否だ 自分のあまりのちょろさに泣きたくなった とりあえずこのままここにいてはまずい、今はもう1分1秒でも早く家に帰って一旦冷静にならなければ もうこの時点で手遅れ感はあるが、まだ大丈夫、とりあえず物理的な距離をとりたい
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