さん

17/19
前へ
/159ページ
次へ
ベッドの中で絡みつく深月くんをなんとか引き剥がし、バイトがあるので早々に帰る旨を伝えた。 ちなみに、昨日あたしが畳まずに力尽きてしまって放置されていた洗濯物はシワになるからと深月くんが畳んでおいてくれたらしい あたしの下着、、、。と思ったがもはや何も言うまい。 「ありがとう」とお礼を言い、内心恥ずかしすぎて泣いた、昨日のあたしを全力でぶん殴りたい。 その後、準備を済ませ「お世話になりました」と立ち去ろうとするあたしに「途中まで送っていくよ」と、一緒に部屋を出ようとする深月くん こんな明るい時間に送ってもらう必要がどこに?? 駅さえ辿り着ければ後は電車に乗って進むだけ、 今時スマホさえあればどこへでも行ける時代だ 現にあたしは知りもしない聡くんの家へとナビを頼りに辿り着いたわけだし大丈夫だと伝える。 しかしそこはさすが深月くんと言うべきか、送らせてくれないならこの家から出さないと脅迫めいたことを言い始めた それは普通に犯罪では? さすがにそれは困るので、渋々駅までの道を一緒に歩く 道中、お互いに取り留めのない話をしながら歩くと早いもので10分足らずで駅に到着した 改札の前で深月くんと向き合う 「じゃあ、ここで、本当に何から何までありがとう。あ、そうだお金!」 そう言ってバッグの中から財布を取り出すと諭吉を1枚召喚させる それをはい、っと深月くんに差し出せば「いらない」と突き返される え、何故?
/159ページ

最初のコメントを投稿しよう!

680人が本棚に入れています
本棚に追加