よん

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とりあえず時間も時間なのでどこかで夕食でも、ということになり、きのこ以外で嫌いなものはない?とのリサーチの元、深月くんに連れられるままなんともオシャレなイタリアンバルのお店へと入る 店員さんに案内された席は半個室になっておりソファ席だった 深月くんに促されるまま奥の席へと腰掛ける 「すごいおしゃれなお店だね、よく来るの?」 何の気なしに聞いた質問だったが、こういうお店は男の人どうしではあんまり来ないか?と聞く質問ミスったなと思っていたところ 少し言いにくそうに いや、実は…、と深月くんが話し始める 「雪乃ちゃん待ってる間に何個か良さそうなところ調べておいたんだ。丁度空いててよかったよ」 と、最後の方は少し照れくさそうに微笑まれた 「え、わざわざ調べてくれたの?」 「まあ、うん。誘っておいて変なところとか連れて行きたくなかったしね。それより、何食べる?ここ、パスタがすごい美味しいらしいよ」 そう言ってメニューをすっと差し出される なんていうか、もう、(ハオ)。 こんなに気の利く男の人っているの? それから深月くんと一緒にメニューを選ぶ、結局お酒も頼もうかとなり、パスタは一人前を頼んで一緒にシェアすることにした。あとはつまめそうなものを数点とお酒はカチ割りスパークリングなるものを注文した。 最初はちょっと緊張してたけど、お酒も入りなんだかんだ話しているうちにいつの間にかそれもなくなっていた。 お店に入って2時間程たった頃 「雪乃ちゃん、顔赤くなってるけど大丈夫?お水もらおうか?」 と、少し心配そうに深月くんがこちらを見つめてくる 「…ううん、だいじょーぶ。」 そう言ってへらり、笑ってみせる。 ぶっちゃけ気分はいいのでそれなりに酔っている気はする。けど気持ち悪くもないし、ほろ酔いといったところか 「そう?気分悪くなったりとかしたらすぐに言ってね」 相変わらず出来た男である。 「ん、ありがと。みつきくんってすごいやさしいよね。そーいうとこすき。」 別に深い意味はなかった。気持ち的にはそのパン好きなんだよね。くらいの感覚。 ほろ酔い気分も相まってちょっとお口が思ったことをぽろっと吐き出してしまっただけなのだ。
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