よん

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ぴたり、深月くんの足が止まる、必然的に一緒に歩いていたあたしの足も止まる 「それ、どういう意味で言ってる?」 深月くんの声が静かな夜道にやけに響いた気がした 「……。」 深月くんの問いに、少しの間押し黙る 上からからジッと見られているのがなんとなく分かった。けど、顔は上げられなかった どうって、、、それは、ただ、、、 「…もうちょっと、いっしょにいたい、、です。」 意を決して絞り出した声は少し言葉がもつれて途切れ途切れになる。何故だか最後は敬語になってしまった ドキドキと心臓の音がうるさい、お酒で熱った身体がさらに熱を帯びるのを感じた 「雪乃ちゃんの家ってもう直ぐ?」 「…へ?あ、うん。」 あたしの決死のお誘いはスルーされてしまったようだ。 一気にシュン、としてしまった気持ちをなんとか切り替えようと話題を考える、けど思いつかない。やばいちょっと泣きそうかも なんだか居た堪れなくなり 「も、もうここでだいじょーぶだよ。」 そう言って、深月くんから離れようと足を一本前に踏み出す。が、それは深月くんの手によって阻まれる 「何言ってんの?その気にさせておいてこのまま帰るとか、許すわけないじゃん。」 俺のこと、一体どうしたいわけ? 少し余裕を無くした声が耳元で聞こえた。 「っ、みつ、、、っん、」 名前は最後まで呼ばせてもらえなかった 強引に重なった唇の隙間から吐息が漏れる アルコールのせいでただでさえふわふわの脳内が、深月くんから与えられるキスによりさらに何も考えられなくなる
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