よん

16/22
前へ
/153ページ
次へ
物思いに耽っているあたしの腕をツンツン、と柚葉が突く。 「え?あ、なに?」 「なに?じゃないし、後ろ。雪乃のこと呼んでるけど?」 と、なにやらクイッと顎で後ろの方を見ろと合図される へ?後? 柚葉に言われるがまま、パッと後ろを振り返るとそこには見たこともない女の子が2人立っていた え、誰? 「…えっと、ごめんなさい。あたしに用ですか?」 とりあえず、本当にあたしに用なのか聞いてみる。年上か年下か、はたまた同い年か、申し訳ないが全くと言っていいほど見覚えのない顔に困惑しかない。 すると、ひとりの子が 「西さんだよね?…ちょっといい?」と、初対面のくせにタメ口聞いてきやがる。 なんだこいつ。と内心イラついたがここは大人な対応を忘れてはならない。 「…あー、はい。ここじゃだめですか?」 わざわざ移動するのも面倒なので聞いてみる。 「あ〜、いや、まあ大丈夫だけど…。」 チラリ、2人で目配せしながらなにやらハッキリしない返答が返ってくるので 「話しずらいなら移動しますけど、どーします? 」 「じゃあちょっとこっち来てもらってもいい?」 と、人気のない場所まで連れてこられた。 え、なに、あたし今から絞められる? 初めての経験に内心ドキドキした。 そして、ひとりの子が意を決したように、話し始めた。 「あの、単刀直入に聞くけど。深月とはどういう関係?」 …うわぁ、こっちのパターンか。 しかも深月って。マウント合戦始まってる? 「えっと、普通に友達?ですけど。」 こういうのは真面目に相手にするだけ無駄だ。 そう思い、普通に友達だと伝える。
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!

677人が本棚に入れています
本棚に追加