よん

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「そう、だったんだ。もしかして深月くんテスト余裕な感じ?」 「まあ、それなりにならできると思うよ」 「うわぁ、すご。あたしなんて先輩から過去問貰ったけどその代わりに、、、、。あ〜、、、なんでもない。」 うわ、何言ってんだあたし。それはいらない情報じゃん。 急に誤魔化したあたしを少し怪訝そうに見つめ 「ん?その代わりに、何?なんか強要された感じ?」と、優しく詰められる 「あ、いや、ただ飲み会に参加しなきゃいけなくなっただけだよ!あたしあんまりそういうの好きじゃないからちょっと嫌だなぁってだけ。」 あははは、と乾いた笑いがでる。 「…ふーん?それっていつあるの?」 「まだいつとかは決まってないけど、近々あるとは思う。」 「なら、その日、飲み会終わりに会わない?」 まさかのお誘いに困惑する。 「え?飲み会終わりに…?遅くなるかもだよ?」 「うん。いいよ、なんだったら迎え行くし。」 「…いや、それは悪いよ。」 そう断るあたしの目をじっと見つめて 「雪乃ちゃんのことが心配だから、迎えに行かせて欲しいんだけど、だめ?」 なんて、まるで彼氏のようなことを言う。 「な、なにそれ。だめじゃ、ないけど…。」 「あれ?雪乃ちゃんちょっと顔赤い?もしかして照れてる?」 と、あたしの顔に自分の顔をグッと近づけ、とてもおもしろそうに見つめてくる え、うそ、あたし今顔赤いの? 「っ、ちょっとこっちみちゃダメっ」 そう言って、近づく深月くんを手でグッと押しのけ、ふいっと顔を背けた。 なんか、今日の深月くんはいつにも増して思わせぶりがすぎるんじゃないか?と、あたしの体内でバクバクと暴れまくる心臓を落ち着かせるように、浅く深呼吸をした。
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