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季節は7月下旬へと差し掛かり、夏の暑さが本格化してきた頃。あたしの中間テストが本日めでたく終了し、明日から夏休みへと突入する。 テストから解放されあたしの心は晴れ晴れとしているかと思いきや、今日はくそだる飲み会が開催される日であった。 なんで選りに選って今日なのだ。明日から夏休みだと言うのになんだか心はとんでもなくブルーである。 いや、でもこれが終われば煩わしい飲み会への参加はしなくていいわけだし、ポジティブに考えよう。夏休み期間中に開催される方が萎える。 飲み会開始までまだ時間がある。 一旦家へと帰るため、しばらく会うことはないであろう顔見知りたちにあっさりと別れを告げ、そのまま大学をあとにした。 自宅につき、準備も終え、家を出るまであと1時間ほど時間が余っている。んー、微妙な時間だなと、スマホへ手を伸ばしかけた時、丁度メッセージを知らせる通知音が鳴った 画面を確認すると深月くんからだ。一応飲み会のあと迎えにきてもらうことになっているけど、どうしたんだろう。 トーク画面を開き確認する "雪乃ちゃん、今家?" どうやらあたしが家にいるかの確認の連絡だった。それにすぐさま既読をつけ返信する "うん、そうだよ!どうしたの?" するとすぐ既読になり、返事が返ってくる "これからちょっと行ってもいい?" え、今から…?これまた急な申し出に困惑する。 "いいけど、18時には出るよ?" "大丈夫。あと20分くらいで着く" "わかった!まってるね" 大して時間もないのにわざわざ家に来る。その心は…? 無い脳みそで考えてみるが皆目見当もつかない。 深月くんが到着するまでの約20分、謎に落ち着かない気持ちで待っていた。
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