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ピンポーン、と来客を知らせるインターホンがなる。モニターで深月くんであることを確認し、オートロックを解除した。 それから更に数秒後、再度ピンポーンと音が鳴る。 ガチャリ、扉を開けば今日も相変わらず麗しい深月くんのお顔があった。なんだか今日は髪がウエットにセットされていてアンニュイさに磨きがかかっていた。更に左耳にかけられた黒髪が深月くんの色気を倍増させている。 うわぁ、えっろ、、、、。 って、だめだめ煩悩滅却。 「暑かったよね、とりあえず入て。」と、平静を装い中へと招き入れる。それに「ん、ありがと、お邪魔します。」そう言い、靴を揃えるとあたしの後へと続く。 「あと30分くらいで出なきゃなんだけど、なにかあった…?」 要件を遠慮がちに伺う 「あぁ、ごめんね。今日飲み会のあと俺の家に連れ去る予定だから荷物だけ先に受け取っておこうと思って。」 そう言って微笑みかけられる。 迎えにきてくれるって言ってたから、お泊まりかな?とは思ってたけど、連れ去るって、、、。 なんだか物騒な物言いにM心がくすぐられる。 「それをわざわざ取りに来てくれたの?」 「うん、荷物になると悪いし。雪乃ちゃんに逃げられないように人質?かな」 ひ、人質、、、。やめて、あたしはMなのだ。 物言いには注意してもらわないと。 脳内で暴れ回る妄想をなんとかぐっと押し殺す。 「…別に、にげないよ?」 「うん。でも一応、ね?」 「じゃあ、これから準備するから待っててくれる?」 「ん、ついでに送っていくよ。」 「えっ、あ、ありがとう。」 なんだこのVIP待遇は。だいすき。
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