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着替えやらなんやらをバッグへと詰め込み準備をする。手持ちのバッグには携帯と財布と簡単な化粧品があればいいか。 よし、大体こんなところだろう。 別に一泊するだけだし、そんなに持っていっても嵩張るだけなので、できるだけ必要最低限のもので済ませたい。 忘れ物はないか脳内で最終チェックを行う。 すると、「そろそろ終わった?」突然耳元で話しかけられ「…ひゃあっ!」と思わず声が出る うわ、はずかしっ、あたしは不意打ちに弱い。 「ごめん、びっくりさせちゃった?…雪乃ちゃん今日なんの香水つけてるの?」 そう言って、すんすんとあたしの耳の裏の匂いを嗅ぎ出す。 「っちょ、、みつ、きくん…!」 別にいつもと変わったものはつけていない。 そんなことより、くすぐったい…! 「ん〜…、なんか食べちゃいたくなる匂い。」 そう言ってあたしの耳たぶを唇で掬い上げ、それをガジガジと甘噛みする。 深月くんに甘噛みされたところが熱を持つ。 身体にゾワゾワとした感覚が広がり、鼓動が早くなる。 「っ、、ね、もう、、じかん!!」 深月くんからパッと離れ、少し距離を取ると、赤くなっているであろう顔で睨みつけた。 「ごめんね、つい。でも、あんまりかわいい顔で睨むのやめてくれない?今すぐいじめたくなっちゃうから」 「っな、、、、、!」 にっこり笑顔で言われ、もう言葉にならない。 かと思えば、徐にあたしの纏めた荷物を掴むと、こちらへと近づき「そろそろ時間だよね?行こっか」と、優しい笑顔で手を掴まれる。 チラリ、時計を確認すると既に家を出る時間となっていた。 「っ、うん…。」 真っ赤になった顔が熱ってあつい。 これは、完全に弄ばれている、、、、! しかし、抵抗する気にはなれず、深月くんに手を引かれるままに家をあとにした。
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