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それから更に1時間後 あたしはちょっと、いや、かなり酔っていた。 そんなに飲むつもりなんてなかったのに、何故こんなことになってしまったかというと、、、。 さすが大学生の飲み会といったところか、後半になってくると、やれ一気だの、やれ罰ゲームだの、やかましい声が聞こえてくる。 相変わらずあたしの隣をキープしている金子先輩の話を会話のさしすせそ。で対応しつつ、そろそろ帰ろうと深月くんへメッセージを送るためスマホを手に取る。 "あと30分くらいしたら抜けようかな" 送信をタップして画面を閉じた。 すると、 「おーい、全然飲んでなくない????」 そう言って、急に肩をグッと組まれ見知らぬ男に絡まれる。 いや、お前誰だ。 「あの、やめてください。」 とりあえず離してほしいのでぐいぐい手で押してみるが、やはり酔っている男の人の力とはいえ、女のあたしでは敵わないらしい。 すると、そんなあたしを助けるかのように 「こら、セクハラやめろ〜、俺だってゆきちゃんに触れてないのにふざけんな」 と、金子先輩が酔っ払い男を引き剥がしてくれた。 やるやん、金子。と今日はじめて先輩に感謝した。謎の上から目線である。 「んだよ、…じゃあきみ!もっと飲もうぜ!!!」 そう言って今度は、ちょっと気弱そうな女の子に絡みだす。既にその子は相当酔ってしまっているように見えるが、酔っ払いにはそんなこと関係ないようだ。 その子も断れずに、グラスに並々と入ったお酒を受け取ってしまっていた。 うわぁ、これ飲んだら確実に潰れるやつじゃん。 だからこうゆう集まりの飲み会は嫌いなのだ。 「ちょっと、それあたしに頂戴。」 席を立ち、その子の元へ行くとグラスを奪い、そのまま一気に体内へと流し込んだ。 多分、焼酎の水割り。しかもちょっと濃いめ。 それを飲み干すと、ダンッとテーブルに置く。 あたしの周りにいる人たちが おーーーー!!!っと歓声をあげているが、うるさいだけだ。 「これ全部飲んだので、もういいですか?」 そう言ってさっきのうざ絡み酔っ払い男を一瞥し、嫌なら断らないと。と女の子に言う。 あたしの奇行を目撃していた柚葉が駆け寄ってくる。 「ちょっと、なにそのイケメン行動!女のあたしでも惚れるわ!!」 と、なにやら興奮している。 いや、見てたなら助けろ。
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