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柚葉に続き、金子先輩もこちらへとやってくる。 「ゆきちゃん、大丈夫??気持ち悪くない??」 そう言って、心配そうな顔であたしを覗き込む。 さっきまで大したことなかったのに、なんだか急に頭がくらくらしてきた。 「あ〜…、はい、とりあえずちょっと、そとに。」 急激にアルコールを摂取して熱った身体と、くらくらと回り出す脳内をちょっとでも覚ますためふらり、立ち上がる 「えっ、ちょっと大丈夫?あたし着いていこーか?」 そんなあたしの様子を見て流石に少し心配そうな声を出す柚葉 それに「だいじょーぶ。」とだけ返事をし、少し覚束ない足取りで外へと出る。 もともとあたしはそこまでお酒に強いわけじゃない。なのに一気飲みなんて馬鹿なことをしてしまった結果がこれである。 う〜ん。ちょっとこれは、あれだ。くらくらしてやばいかも。 たまらず居酒屋の前でしゃがみこむ。 一応人様の邪魔にならないよう、端の方に避けたつもりだ。まだ他人への配慮ができるあたり、大丈夫なのかもしれないと少し安堵する。 「ゆきちゃん、大丈夫…、じゃないよね?お水とか貰ってこようか?」 しゃがみ込むあたしの頭上から、金子先輩の声がする。 それにちらり、視線をあげ 「ん、…だいじょぶ、です。ありがと、ございます。」 と、なんとか返事を返す。時間が経つにつれて、先ほどのアルコールがあたしを侵食していく。 多分、顔も赤くなっている気がするし、なんだか少し瞼も重い。できればこのままどこかで眠ってしまいたい。 「…、すっごい不謹慎だけど、やばいね。このままお持ち帰りしちゃだめ?」 そう言ってあたしの隣にしゃがみ込むと、グッと顔を寄せて上目遣いで見つめてくる。 「…だ、だめ。」 あれ?これ結構やばい感じじゃない? なんとなくまずい事態なっているのは大して使い物にならなくなった頭でも分かった。 「ん〜、でもほら、ここから始まる恋もあるかもしれないよ?」 そう言って更に距離を縮めてくる。 あ、やばい、これキスされる…。 そう思い、避けるためにしゃがみ込んだまま足を一歩後ろの方へと下げる。 ぐらり、それにバランスを崩し後ろへと体重の掛かった体が倒れそうになる。
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