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「っ、ぅわっ…!」 瞬間、倒れると思った身体は後ろからグイッと引き上げられる力によって事なきを得る。 え…?なにごと…?? 目まぐるしく変わる展開に頭が混乱する。 「これ、どうゆう状況?」 あたしを支える背後からここにいるはずのない深月くんの声がする。心なしかいつもより声が低い気もする。 え…?み、みつきくん…? チラリ、少し振り返り見上げればそこには何を考えてるのかよく分からない深月くんの顔が見える 「…ま、まぼろし、、、??」 酔いすぎてついにあたしは幻覚まで見えはじめてしまったのかと目をぱちくりと瞬かせる。が 「…、雪乃ちゃん荷物は?」 と、淡々とした口調でそう問われる にもつ?にもつ、はもっていないからきっと、、、 「えと、、、、あっち、、?」 そう思い居酒屋の方を指さす。 「ん。…すみませんけど、今この通り手が離せないんで取ってきてもらえますか?」 そう言って、なにやら深月くんが金子先輩にお願いをしている。 「え?それ、俺に頼んじゃう?」 「別に、嫌なら雪乃ちゃん抱えて取りに行きますけど。」 「え〜…、なにそれ、彼氏じゃないんだよね?」 と、突然現れた深月くんになにやら困惑している様子だ。しかし、少し考える素振りをみせてから 「まあいいや、ちょっとまってて」 そう言って店内へと戻っていく金子先輩 どうやらあたしの荷物を取ってきてくれるようだ。 もう何が何だかわからないあたしはただ深月くんに支えられるまま、意識を手放さないようにするのが精一杯だった。
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