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「あの、わたしも、ごめんねっ…、ゆずちゃん達の仲を邪魔したいとか、本当にそんなつもり一切なくて、家族みたいな感覚で、でもごめん、雪乃ちゃんに言われて気づいた、これからは気をつけるから、わたしとも仲良くしてほしい…」
少し涙交じりに上目遣いで彩美ちゃん。
うわぁ、なんてあざとい、あざとすぎる
これは女子に嫌われる典型的なトップオブザ女子
でも素で本当にこれなのだろう、すさまじい女子力に完敗だ(別に羨ましくは無い)
柚葉も
「う、うん、全然こちらこそ、仲良くしてね」
と、無事和解?をしたようだが、なんとも言えない感情があたしには読み取れてしまった。
わかる、周りにいないタイプの女の子は戸惑うよね。
なんだか思っていたよりもすんなりミッションコンプリートしてしまったので不完全燃焼である。
まぁ、いいや、帰ろ。
「よし、てことで空気を悪くしてごめんね〜!
あたしはそろそろお家へ帰るから、あとは仲良くやってちょーだい」
そう言って、立ちあがろうとしたあたしの手を柚葉がすかさず止める。
「いや、早すぎだから!帰すわけなく無い?
ね、聡くん!」
「そうだよ、西さん!俺たちまだ大して話せて無いし、折角だからもっと仲良くなろうよ」
ここへきて、謎のコンビネーションを発揮してきたゆずさとカップル、正直やめてほしい。
試しに、柚葉に掴まれている手をぐっと引っ張ってみるが、なかなかの力で掴まれている。
どうやら、離す気は無いらしい。
「………じゃあ、あと1時間だけ」
はぁ、仕方ない。
無駄な抵抗はやめて大人しく中途半端に上がっていた腰を再度下ろした。
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