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一緒にお風呂に入る。これはもう断るに断れない状況にあるということは理解した。 しかし、さすがに深月くんの目の前で、しかもこんな朝っぱらから、すっぽんぽんの姿を晒すことはどうしてもできそうもない。 なんとかならないものかと、必死で回らない頭を働かせ 「み、みつきくん。お風呂は一緒に入るから、せめてあたしの後から入ってきてくれない?…じゃないと、一生この先には進めない、よ。」 と、謎の脅迫をしてみる。 それにパチクリ、目を瞬かせてから、ゆっくりと口に笑みを浮かべると。 「ん、分かったよ。一生この先に進めないのは困るし、5分もあればいいよね?」 と、どうやらあたしの提案を聞き入れてくれたようだった。 しかし 「え…、5分?ちょっとそれははやくない?そんなんじゃ洗い終わらないよ!」 と、あまりにも短すぎる時間に泣きつく。が 「ごめんね、それ以上は待てないや。洗い残した部分はちゃんと俺が洗ってあげるから、安心して?」 じゃあ、また5分後。 そう言い残すと、パタンと扉を閉めて脱衣室から出て行った。 え、なにに安心してって? 申し訳ないが、そんなものはなんの安心にもならない。むしろ、なんとしても回避したい事案である。 ただでさえ一緒にお風呂に入るということ自体があたしからしたらとんでもないことなのに、その上どこかしらを深月くんに洗われるなんて、ありえない。 考えただけでも恥ずかしくて今すぐ天に召されそうだ。 やばい、とにかく急がなくては!! と、刻一刻と時間が差し迫る中、急いで服を脱ぎ捨て(ちゃんと洗濯機に入れました。)浴室へと入っていった。 そして、あたしは再び驚愕する。
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