東城拓巳(トウジョウ タクミ・検事)

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0d489bbe-79d1-4827-bb0b-a24bd7317380 「恋愛はしない」 その椿総理の決意とも言える言葉で、楽しかった女子トークは終わった。 「もう、寝ましょう」 椿総理は、そう言って、目を閉じた。 波瑠は、仕方なく電気を消した。 だが、波瑠は眠れなかった。 きっと、圭さんも椿総理のことが好きだ。 なのに、一緒になれないなんて、なんだかとても悲しい、、。 悶々とした夜も明けた。 圭は、再びSPとして、椿総理を護衛し車で首相官邸へと向かった。 だが、首相官邸に着くと、すぐに、大倉官房長官から、直々の呼び出しを受けた。 大倉官房長官は、まだ若い椿総理の右腕として、その長年の政治経験で椿総理を支える存在だった。 いわば、娘と父親のようだった。 椿総理が、負傷した、という知らせを受けて、大倉官房長官は、激怒していた。 官房長官室に呼び出された圭は、大倉官房長官から激しい叱責を受けた。 「君は、SPの中でも一番若いが、一番優秀だと聞いていた。それが、何だ! このザマは!」 「、、申し訳ありません、、」 「椿総理は君を庇って負傷したそうじゃないか! もう、君は椿総理の警護から外れてもらう!」 「え、、」 「もう決定事項だ! 下がりなさい!」 圭は、反論するまもなく部屋を出て行かざるを得なかった。 しかし、出て行こうとした時、ドアの近くの書類棚から、赤い文字の紙がチラリと見えた。 「殺」という字とともに、その文字の独特の赤色には、見覚えがあった。 あの、椿総理の執務室に貼られていた暗殺予告の文字と同じ色だ。 まさか、、! 圭は、恐ろしいことに気付いた。 椿総理が、総理大臣を辞めれば、次の総理は、大倉官房長官だと言われている。 しかし、大倉官房長官が、犯人なのか、、。 信じられない。 だが、犯人は政府内部の人間であることは、間違いない。 圭は、大倉官房長官が犯人であるならば、証拠を掴む必要がある、と思った。 しかし、それは、とても難しいことだ。 ふと、次男の兄、弁護士の命の知り合いに、東城拓巳というやり手の検事がいるらしいことを思い出した。 何か、力になってくれるかもしれない。 命に話して、東城の力を借りよう、、、。 そう考えた。
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