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東城は、命に優しく言った。
「ラッキョウの花を見たことがあるか?」
「いや、、」
「命に見せたいんだ。可憐で綺麗な一面のラッキョウの花畑を、、」
そうして、一ヶ月後、命が退院したのを機に、東城と命は仕事を辞めて、鳥取に移住した、、。
波瑠は、寂しかったが、また嬉しくて堪らなかった。
実の兄ではない義理ではあるが、兄の幸せは、この上ない喜びだった。
ラッキョウの花を見てみたいなあ、、。
そんな呑気なことを思っていた波瑠に、圭から重大な頼みが来た。
圭と夫婦のふりをして、大倉官房長官の後援会に一緒に行ってくれないか、というものだった。
なんでも、椿総理の暗殺に関係がある事柄らしい、、。
極秘に動かないといけないため、応援が呼べないのだという。
波瑠は、にわか探偵になったようで、ドキドキした。
渋谷課長は、大反対だったが、もちろん、波瑠の返事はOKだ。
そして、その日がやって来た。
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