東城拓巳(トウジョウ タクミ・検事)

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生を見送った後、波瑠と渋谷課長は貴一郎が入院している病院へ行った。 病室に入って、二人で、昏睡状態で眠っている貴一郎の顔を覗き込んで見た。 すると! 貴一郎が、いきなりパチっと目を開けた。 「きゃー!」 波瑠は、びっくりして思わず悲鳴を上げてしまった。 渋谷課長も、驚いて言葉が出ないようだった。 そして、貴一郎は、波瑠と渋谷課長を見ると、大きな欠伸をして、言った。 「あー、よく寝た」 ええっ?! ね、寝た?! 昏睡状態だったはずだ。 そんな訳はない。 医学的に昏睡状態だったのだ。 「と、父さん、大丈夫なのか?」 渋谷課長が、珍しく動揺しながら、訊いた。 波瑠も訊いた。 「お義父さん、本当に寝てただけなんですか?!」 「ああ、最近、病院の仕事が忙しくて疲れていたからな、、。ああ、誠、波瑠さん、久しぶりだな。元気そうで良かった」 貴一郎は、何事もなかったように、そう言うと、尋ねた。 「圭は、SPを辞めて総理大臣と結婚して、命は、ラッキョウ農家を恋人と継ぐために鳥取に移住して、生は、大学病院を辞めて国境なき医師団に入ったんだろう?」 えええっ?! なんで、知ってるの?! 「お、お義父さん、どうしてそれを?!」 「おしゃべりな看護師がいて、いちいち耳元で話しかけてくれてたんだ。意識が戻るようにと、、」 貴一郎は、そう言うと、渋谷課長を見た。 「誠、渋谷医院は、お前に継いでもらう気はない。私が一代で建てた病院だ。私の代で終わらせる」 渋谷課長は、驚いた。 「それでいいのか? 父さん」 「ああ。お前には、県庁職員という大事な仕事があるだろう。好きな仕事は辞めるんじゃない」 、、ということは、、。 波瑠は、考えた。 つまり、あたしたちの生活は、元通りということになる。 お義父さんは、大丈夫みたいだし、お義兄さんたちも、それぞれの新しい人生を歩み始めている。 波瑠は、今回のいろいろあったことを思い出して、大きなため息を吐いた。 あーあ、大変だった! けれど、みんなが幸せに向かって歩き出している。 あたしも、元の渋谷課長との幸せな生活に戻るのだ。 とにかく、良かった!!! 波瑠は、そう思った。 『旦那様💘がお医者さんになります!』 happy end🌸
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