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「なんです。この荷物。やけに厳重にほうそうしてありますね」
新人の配達員が最終便の積み荷の中に奇妙な荷物があると芹沢に尋ねてきた。
「巻物とかですかね。それにしてはなんか重いんですよね。これ。品名は食品って書いていますけど、生ものじゃなさそうだし」
その箱の長さは60センチ近くある正四角柱をしている。通所のクラフト色の段ボールと違い赤黒く、防水加工が施してある。しっかりと密閉されている。
「ああ、それか。また始まったんだな」
「えっ、何がです?」
「全部揃ったら、また最初からなのさ」
新人の配達員は首を傾げた。
「こんな箱で天地無用って、どんな荷物なんでしょうね」
「乱暴に扱うなよ。それから決して振り向くな」
「え? 何かホラーみたいっすね」
「お客様の荷物は丁重に扱え、それだけだ。それから中身を詮索するな。それが身のためだ」
新人の配達員は容量の得ない芹沢とのやりとりを切り上げて荷物を積み込んで出で行った。その荷物の配達にはは時間指定がされていた。ちょうど日没の時間だ。
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