アリステリア

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アリステリア

 その日のうちに、パパはひとりの女の子を同僚と一緒に連れて帰って来た。  パパと仲良しのキャプテン・リードのひとり娘だという。からくり人形のような人だった。  「私の名前は。アリステリア。ア、アリステリア・リードです。今日から。貴方の家庭教師と。シッターを。することになりました。適任かどうか。わかりませんが。」  彼女は目をキョロキョロと動かしながら、体をカキカキと動かしながら、子どもの私に丁寧なお辞儀をした。  「アリスね。私はレン。よろしく。」   私の方は、物怖じすることなく手を差し出した。  彼女は目をキョロキョロさせながら拒絶とも取れない、無意味な仕草をして手を差し出さない。  「私の名前は。アリスでは。ありません。」   私はキョトンとして、身動きできなくなった。  「です。アリステリア。先生です。」  彼女はやせっぽちで、まっすぐな赤毛の髪をぱつんと潔く切ったボブの髪をコキコキとゆらしながら、満足そうにちょっと微笑んだように見えた。
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