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日曜午後9時、2日前の再配達の荷物を受け取り、それが実家からだと気がついた。段ボールがいつもより大きく、宅配ボックスに入らなかったらしい。
あれ、前回荷物が届いたのはいつだっけ。
そうそう、サツマイモの時以来だ。
ここ数カ月間俺の仕事が忙しく、マンションにも帰って寝るだけの生活が続いていた。そのため長くとも3カ月に1度は送られてきていた実家からの荷物が、5カ月近く来ていない事に気がつかなかった。
しばらく自炊をしておらず米の減りも悪いので、今日新たに荷物が到着するまで気にならなかった。
「まぁ冬場は大体貰い物の菓子ばかりだからな。職場に持って行けば、皆に喜ばれるな~」
そう呟きながら普段より一回り大きな段ボールのガムテープを取り去り、勢いよく蓋を開けた。
……あれ?
小さいオカンが出てこない。
俺は段ボールにみっちり入った菓子や果物を丁寧に1つずつ取り出しながら、小さいオカンを探した。
……いない。
段ボールをひっくり返しても、落ちてこない。
もしかして、宅配の車の中で荷物から落っこちたか!?
慌てて先程手にしていた不在届をゴミ箱から取り出し、記載されているドライバー宛の番号に電話をかけた。
「あ、もしもし。先程荷物を受け取った者ですが……」
……この先、何て言おう。
小さいオカンがその車に乗っていませんか、と?
車の中で落ちたとは限らない。
配送センターかもしれない。
そもそも、小さいオカンは他の人に見えない可能性が高いのだ。
聞いてみたところでイタズラ電話と思われるのがオチだ。
「……すみません、勘違いです」そう言って俺は電話を切った。
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