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「松宮さんでしょ?…久しぶり!元気してた?」
目を細め、実に嬉しげに微笑む彼。いっとき心奪われた私は、少しの間の後、慌てて顔を背けた。心臓が経験がないほど早く脈打っていた。
「俺、今日ここで仕事あってさ…。ちょうどこの前も松宮さんどうしてるかなって考えてたんだ」
懐かしげに言う彼。何も答えることが出来なかった。何かどす黒い得体の知れないものをお腹の上で抱えたような。ブラックホールへと吸い込まれてしまいそうな、そんな真っ黒い感情が押し寄せてきて。
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