#0 序

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 私と彼は、結構似ていた気がする。ピアノが好きだった所。好きなことにとことん打ち込む所。互いを―――(おも)んじる所。  高校2年の夏―――。私は彼に高校の教室で、放課後に声をかけた。 「新谷(あらだに)君、結局、進学先どこに決めたの?」 他のクラスメイトがパラパラと帰宅する準備をしていた頃、私は同じように帰宅するべくリュックに参考書を詰め込んでいた新谷君こと、新谷(あらだに)柊平(しゅうへい)に歩み寄ると、尋ねた。
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