#0 序

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 彼は私同様、詰め込み終わるとリュックを背中に背負う。柊平は目を細くして笑んだ。 「あぁ、一応都内の芸大を候補に絞ってたけど、やっぱり国内は辞めとこうかなって」 私は目を丸くする。 「え?国内は…って、もしかして留学?」 「うん。ポーランドのワルシャワ音楽芸術アカデミーに行くつもり。一応、受験条件は整いそうだし」 私は感心して口を大きく開いた。 「わー、凄いね新谷君。私はまだ皆永(みななが)先生に、修正指導されてるのに…」
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