#1「 再会 」

2/27
前へ
/32ページ
次へ
しかし、映った瞬間、私は驚いて声を上げた。すぐ後ろの傍に、彼が立って覗いていたからだ。振り返ると、彼は瞬いておかしげに笑い声を出した。 「…どうした、何でそんなに驚く」 彼、上泉(こうずみ)賢人(まさと)こと賢人は、少しだけ固い笑顔を見せる私、上泉(こうずみ)(ひかり)の後頭部の髪を背後から撫でる。 「急に現れるから…じゃない…」 私がぎこちなく笑むと、賢人は「そうか」と軽く頷いて「行こう」と私の反対側の肩を掴んでエスコートした。  パーティー会場は、高い天井に取り付けられた煌びやかなシャンデリアの灯りと、広いホール内に集まり談笑する人々の姿で、溢れかえっていた。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加