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晶も久世と同様に嬉しそうな様子で久世を出迎えた。
発信してから10分とかからずやって来た久世に対して、急いで来たのだろうと案じた晶は、すぐに飲み物をと酒を作って久世に渡した。
久世はそれを飲み干すと、今か今かとサークの話を切り出そうとする。
久世の二杯目を作りながら、晶は微笑して言った。
「慌てないで透。まだ9時だ。まずはもう一杯飲みな。時間はたっぷりとあるんだ」
久世はそれもそうだなと、晶の言葉に納得して、一杯目と同じようにグラスを傾ける。
しかし二杯目は、一杯目と違っていた。喉を通る瞬間から焼き付くように熱く、アルコールの度数が桁違いだった。そして舌が痺れるような、以前一度だけ飲んだ覚えのある、あの、クラブで、マモルに……
そこで久世は意識が飛んだ。
久世の意識が次に覚醒をしたとき、それと同時に襲われた快感に久世は狼狽えた。
下半身に異様な感覚がある。目の前には見覚えのない天井があり、息が切れている。心臓は脈打ち、寝ていたのにスポーツでもしているかのように脈打っている。
下半身は押さえつけられてでもいるのか動かせない。動かせる上半身をめいいっぱい起こして、その押さえつけている物を見た。
何が起きているのかを理解するまでに数秒を要した。
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