二杯目

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 そこには、自分のものをくわえて動かしている瑞希の姿があった。瑞希も自分も下着一枚着ていない。  驚いたと同時に絶頂感が襲う。久世はうめき声をあげて快楽に襲われるまま、それを放出した。 「ああ、もったいない。もう一度中に出して欲しかったのに」  瑞希は久世の出したものを吐き出すことなく、妖艶な笑みを浮かべてそう言った。  久世は飛び上がって後ずさりした。ベッドのヘッドボードにガツンと身体がぶつかる。  久世は記憶をまさぐったが、全く覚えていない。晶に酒を渡されて、二杯目を飲んだ直後から何も覚えていなかった。  その最後の記憶は……  久世は、まさかといった驚愕の表情を浮かべた。瑞希はそれに気がついて再びニヤリと笑う。 「透さんって、マジであの薬飲むと人が変わるんだね。サイコーだったよ」  久世は瑞希を睨みつけた。顔を背けたいほどの嫌悪感もあったが、目で殺してやりたいという憎悪の方が勝った。  久世は何も言わずに立ち上がると衣服を探して歩いたが、見つからなかったので全裸のまま部屋のドアを開け始めた。 「シャワーならそこだよ」  瑞希はドアのひとつを指したが、久世はそれを無視して自分で探した。 「ねぇ、もう一回しようよ。二回も出してくれたから大丈夫だと思うけど、確実にしたいし……ねえもう一回!」  久世はその言葉で瑞希に視線を向けた。言葉の意味を探ろうとしたからだ。
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