2 二度目の体温※

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2 二度目の体温※

そういえば病気の事を伝え忘れていたな。 翌朝、ふとその事を思い出して目が覚めた。今思ったけど病気の事をどのタイミングで言おうか。いや、そもそも言う必要があるだろうか。病気だから死ぬ前に好きな事をしたいって言ったらまた違う未来があったのだろうか。 番として彼との関係を続けていくと決めた翌朝、今更ながら色々考えながら僕は身体を起こした。彼の表情見たさとこれから何か変わるかもしれないという思いからあんな事言ったが、キスと告白なんて予想外の行動を取られて絆されたというのもある。 「はぁ...どうなる事やら」 「おはよう、祐樹」 へ... 突然ガチャリと扉が開き、声の主の方に視線を向ける。先に起きていた晴也が普段僕に見せる事のない笑顔で立っていたのだ。無表情の方に見慣れていたせいか、動揺から僕は開いた口が塞がらなくなった。 「朝ご飯出来てるから一緒に食べよう。サンドイッチだけどいいかな」 「あ...え、う、うん」
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