2 二度目の体温※

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そうして先に食べ終わった晴也は皿を下げながら「そういえば」と会話を切り替える。 「今日少し遅くなりそうなんだ。ご飯いつもの時間に出来なさそうで...」 「...ご飯くらい自分でどうにかするよ。気にしないで行ってきて」 「そう..?分かった」 それから適当に外出着に着替えた晴也は暫くして申し訳なさそうに出て行った。久々に部屋で一人で過ごすのも悪くない。明後日から大学の講義、秋学期が始まる。家で過ごす時間も今より少なくなるんだろうけど、少なくとも以前みたいにギスギスした空気にはならずに済みそうだ。 「あ、メール。そういえば確認してなかったな」 病院を出た後、蘭ちゃんに『倒れた』という短い文章だけ送っていた。 手に取った携帯に一通のメールが届いている事に気が付く。バタバタしていて病院を出てから見ていなかったけど不在着信も来ている。スッと耳に当てて暫く着信音が鳴り響いた後、バタバタと忙しない音と共に『ゆうちゃん?!』と彼女の声が向こうから聞こえてくる。思わずその場で失笑しながら『ごめん、携帯見ていなかった』とソファに腰掛けながら返答する。
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