2 二度目の体温※

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彼女にそう指摘され「何が?」と聞き返す。少しずつ青褪めていく彼女は前のめりになり僕に近付き、ぴたっと額に手を当てる。そして、さっきとは一変して不安そうな表情で「ゆうちゃん」と口を開いた。 「最後にヒートが来たのっていつだった?」 「え...最後に...」 ──やばい。 そう思った時には遅く、心臓が強く鳴り始め、僕は彼女の問いに答える前に過呼吸になり始めた。このタイミングでヒートが来るだなんて。 「ゆうちゃん!」 悲痛な声で叫ぶ彼女の姿がぐにゃりと歪み始め、僕はその場で倒れてしまった。彼女はβだが、Ω特有のフェロモンに当てられて顔が赤く、少しふらふらしている。 「ゆうちゃんしっかり!あ、つ、番さん呼ばないとだよね...携帯借りるよ!」 そう言って僕のポケットに入れてあった携帯に手を伸ばそうとするが「いい」と制して彼女の動きを止める。何で、と言いたげな顔だったが、ハッと我に返り「今だからこそ、ゆうちゃんも我慢せずに素直に頼ったらいいんだよ」と話を聞いた後だからか少し怒った様子で言ってくる。 番として尽くして欲しい。 そう約束はしてくれたけど... あいつは前戯でやめるんだ。イった後の切なさは増す一方で指だけなんて物足りないんだ。一週間続くヒートを前戯だけで放置されていた苦しみをもう味わいたくない。それに..まだえっちに関しての相談もしていない。 「どちらにせよ今日はあいつ遅いんだ...一人でどうにかするから、ごめんけど蘭ちゃんはもう帰って...」 「ちょっ──ゆうちゃん!」 そこで完全に意識はシャットダウンしてしまった。倒れた僕をオロオロと見ていた彼女は「もう!」と叫んだ後、スッと携帯に手を伸ばしてパスワードの掛かっていない携帯を開き、電話帳をタップする。遠くから電話のコールと彼女の焦った声が室内に響く。 (今度...蘭ちゃんに謝らないと...) ──── ──
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