2 二度目の体温※

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「祐樹の身体をじっくり見た事が無かったけど、こうして見ると凄く綺麗な身体をしてるんだね」 はだけた状態の僕の身体を視線で侵していく。 何処を見ているのか分からず、言葉通り隅々迄見られている羞恥から混乱し始める。この前迄なんとも思っていなかった相手なのに、どうしてこんなに心臓が煩いんだろうか。さっさと犯してくれればいいと思っていたくらいなのに、いざこんな展開になったらどうして怖くなるんだろう。それは僕がなんの経験も無いからか?それとも... 「──番の自分に興奮して最後迄シて欲しそうだったの、本当はずっと気付いてたんだ。でも罪悪感がずっとあって、最後迄は絶対にしなかった。したら祐樹があの日の事を思い出すんじゃないかと思っていたから」 ゆっくりと手を伸ばし、自分の平らな胸に置く。こうして淡々と話している間も手の動きは止まらない。僕の身体をじっくり舐めまわす様に見て、なぞる様に手は動き続けている。中途半端な触り方のせいで焦れったい気持ちだけが募っていき、昂っていく。 「祐樹が番らしくしてって言ってくれた時、凄く嬉しかったんだ。....やっとだ。君が僕を許してくれている些細な時間の中だけで充分嬉しい。やっと、君に触れられる」 「はる、や──」 そうして、僕の唇は名前を呼んだのと同時に塞がれた。柔らかい唇の感触を感じる。彼との二度目のキスだ。触れる程度で終わりかと思いきや、直後唇を食む様に重ねてきて、そのまま舌を絡ませてくる。生温かい彼の舌が最初は控えめだったはものの、僕が無意識に逃げようと身を捩らせるや否や口内を遠慮なく蹂躙し始める。こんな深いキスを僕は知らない。
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