2 二度目の体温※

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「──キスだけでとろとろだ。凄く可愛い」 唇を離してそう言った晴也はそのまま視線を落とし、手を置いたままの胸をジッと見つめた後、躊躇いがちに乳首に触れてくる。指の腹で軽く撫でられただけなのに、腰の辺りにぞわぞわと感触が走り「んっ」と変に高い声が出る。   こんな触れ方、知らない。 丁寧で、まるで羽で触れるみたいな── 「....勃ってるね」 「っ....!」 恥ずかしい。 見られる事って凄く恥ずかしい。 少し触れられただけなのに僕の乳首は主張する様に丸みを帯びている。顔を隠そうと両腕を上げるが呆気なく彼に阻止されてしまい、思わず「なんで」と半泣きで言ってしまう。バンザイの形で両腕を上に固定され、恥ずかしい所が全部丸見えだ。 「....隠さないで」 その一言を放った直後、片方の乳首に顔を近付け口を開く。ちろ...と控えめに出した舌は一瞬だけ引っ込んだはものの、僕の反応を窺うかの様にゆっくりと乳輪周りを辿るみたく這い始める。舌が器用に動き回る未知の感覚に、声はみっともなく出続ける。 「祐樹。...可愛い。全部可愛い」 「やめっ....!ひぅっ....ぅあ.....んんっ」 そのって連呼するのやめて欲しい...!ただでさえ乳首舐められたり指で嬲られたりするだけでイきそうなくらい気持ち良くて、その気持ち良いで精一杯なのに。 余裕が無さそうでありそうな、こいつの初めて見る意地悪な笑顔。抵抗しようとしても力の差で負けてしまう。事は全て、僕が主導権を握っていた筈なのに。
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