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そう言って僕の前に立つと、そっと頬に手を添えて見つめてくる。触れられた所からまるで熱を帯びていくみたいにじんわりと熱くなっていく。何で...ヒートでもないのに──
「顔、熱いね」
「っ」
耳を撫でながら触れ、くすぐる晴也。指がこしょこしょと弄ってきて思わずビクンッと身体が跳ねる。僕の持っていた服を見て「ねぇ」と耳元で口を開く。あの時の感覚が重なり、緊張と期待で軽く息が出来なくなる。
「俺の服の匂いを嗅いで、そんなえっちな顔をしてどうしたの?」
「えっ....えっちな顔なんてしてない」
必死に反論するが、晴也は引こうとしない。服をギュッと抱いていた事に気が付き「これ!返すから...」と彼に慌てて手渡す。皺がついた服を困った様に笑いながら見た彼は、首筋辺りに顔を近付け軽く嗅ぐ。突然近付かれ、硬直した自分はされるがままの状態になる。
「.....フェロモンが出てる。誘ってる...?」
「誘っ...てないしフェロモンも出てない!」
「流石に匂い迄は誤魔化せないよ」
そう言った直後、首筋に唇を当てて、下から上へなぞる様に動かす。柔らかい唇の感触から温かい舌に変わり、舌先でツツ...と線を引く様に動いていく。それだけの動作なのに、いちいち気持ち良くて腰が抜けそうになる。ふらっと前のめりになる僕を支える晴也。変な声が出ない様に我慢する僕を、同じ様に興奮した晴也が誘惑の言葉を囁く。
「俺達は番でしょ....?祐樹が俺の事を素直に欲しいって言ってくれたら、....いつでも、いくらでも抱くよ」
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