6 さよならの向こう側※

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「もっと....奥迄欲しい」 「奥迄....?」 意味が理解出来ずに不思議そうな顔をする彼の頭に、答える代わりにモフッと顔をうずめる。彼の柔らかい匂い──すーっと勢いよくそのままの体勢で嗅ぎ、驚いた晴也が落とさない様に慌てて支え直す。ギュッと胸元に顔を押し込んだせいで、彼の鼻がツン、と軽く乳頭に当たり、くすぐったくて「ん...」と身を捩らせる。卑猥な声に反応した彼は驚いた顔をした後、カーッと顔を赤く染め「まさか...」と僕を見る。 「ねぇ、晴也。久々に晴也を感じたい。.....晴也に襲って欲しい」 その言葉はまるで引き金で、途端に部屋中に僕の匂いが充満し始める。くらっ...と揺らいだ彼は僕をゆっくりとソファに下ろして「ばか祐樹...」とボヤいている。心臓の手術をして暫く経っているとはいえ安静にしとけって言われたのに、──馬鹿になったみたいにタカが外れて彼を求めている。 小さく舌打ちをした彼は僕を勢いよく抱き抱え寝室に連れて行く。ベッドに下ろし、服を脱がせようとするが、久々で緊張しているのか手が震えていて上手く脱がせられないみたいだ。 「──ごめん。もう元気な体になったとはいえ、手術後だし安静にしておくべきだって言いたいのに。俺も、祐樹が欲しくて我慢出来ない」 そう言って服を脱がした矢先、先程の優しく味わうキスとは一変して激しくなる彼。呼吸が出来なくなる程、何回もキスを繰り返し、脱がされて露わになっていく僕の身体を頭から爪先迄唇を滑られ、愛し尽くす。普段以上に長い、長い前戯を行い、イき疲れた僕にようやく挿入しようとした矢先、「あ...」と我に返る彼。「どうしたの....?」と聞くと、「ゴムが無くて...」挿入を躊躇っていた性器を一旦引き戻す。 「──いいよ」 暫くの沈黙の後、僕は小さくボソッと呟いた。僕の言葉の意味を理解した彼は、パッと顔を上げ「何言って....」と僕を見て動きをピタッと止める。ぐぐぐ...と愛液で溢れたあそこを両手の指で押し開け、わざと彼を煽る。 「生で....きていいよ」
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